医療費について
在宅医療を始めようとする患者様・ご家族にとって、どれぐらいお金がかかるかは非常に重要な問題です。ここでは、医療費について簡単に説明します。
在宅医療にかかるお金は、
@医療機関への支払い(医療保険の自己負担)
A薬局への支払い(主に医療保険の自己負担)
B訪問看護、訪問介護などへの支払い(介護保険の自己負担)
に大別されます。
B「訪問看護、訪問介護などへの支払い」については、具体的な要介護度とケア内容によって異なってきますので、ケアマネージャーさんに相談してください。
A「薬局への支払い」も、使用する薬剤によって大きく変動します。在宅医療開始前に当クリニックにご相談下さい。
@「医療機関(当クリニック)への支払い」について、以下で説明します。
なお入院されている方は、退院される前に病院内のケースワーカーさんなどに相談されると、適切なアドバイスを頂けると思います。
◆訪問診療の医療費について
医療保険の自己負担(医療費)には、負担上限額が設定されており、上限額は以下のようになっています。
高齢者(1割負担)の多数 12,000円/月
高齢者(3割負担)の多数 44,400円/月
一般(3割負担) 高額療養費制度を利用(後述)
福祉給付金資格者 医療費はかかりません
障害者 医療費はかかりません
負担上限額は、所得によって上下します。詳しくは各保険組合にお問い合わせください。
◆交通費について
すぎもと在宅医療クリニックでは、訪問診療の際に交通費を頂いています。交通費は、当クリニックを基準として以下のようにさせて頂いています。
5km未満 400円/1回
5km以上10km未満 800円/1回
10km以上 1200円/1回
◆一般(3割負担)の方の高額療養費について
一旦窓口で負担額の全額を支払い、3〜6ヶ月後に「決定自己負担限度額(所得により異なる)」を越えた分が払い戻される制度です。保険請求の都合上、遅れる事もあります。
また、条件によっては、高額療養費を見越した自己負担限度額のみの支払いですませる事もできます。詳しくは各保険組合にお問い合わせください。
◆当クリニックへの支払いの例
◇高齢者1割負担、上限額以内 の例
・78歳 脳梗塞 にて月2回訪問診療 5km以内
医療費 約7,000円
交通費 800円(400円*2)
※薬局への支払いは別になります
◇高齢者3割負担、上限額以上 の例
・80歳 癌 にて在宅中心静脈栄養を使用
モルヒネをディスポーサブル注入ポンプで使用
月4回訪問診療 5km以上10km未満
医療費 44,000円
交通費 3,200円(800円*4)
※薬局への支払いは別になります
◇福祉給付金資格者 の例
・83歳 呼吸不全 にて在宅酸素使用
月4回訪問診療 10km以上
医療費 なし
交通費 4,800円(1,200円*4)
※薬局への支払いもかかりません
◇一般3割負担、高額医療 の例
・58歳 癌末期 にて在宅酸素使用
モルヒネとサンドスタチンをディスポーザブル注入ポンプで使用
緊急往診を含め10回訪問 5km以内
医療費 約200,000円(高額療養費による還付あり)
交通費 4,000円(400円*10)
※薬局への支払いは別になります
これらはあくまで例であり、実際は患者様の状況によって変動します。詳細は各保険組合・すぎもと在宅医療クリニックまでお問い合わせください。